故 遠藤 博
私は抽象も具象も本質的には同じものだと考えている。 なぜなら、絵というものは、さまざまな形や色を素材として、これを画面に組み立てる作業なのだから、その素材が自然界のものであろうと、頭の中のイメージからのものであろうと、組み立て作業のノーハウに区別はないからである。 要するに画面に美しい独自の世界が作り出せればいいわけで、その結果が自然界に近いものであっても、あるいは自然界に遠いイメージ的なものであっても、絵としての価値に何ら変わりはないと私は思っている。