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喜多 勲

 以前ジュネーブで仕事をしていた時、土曜日になるとお天気が良かろうが悪かろうが、朝早く研究所の宿舎をスケッチブックを持って飛び出しました。ジュネーブからマッターホルンやユングフラウの麓までは半日程で行けますし、モンブランの下のシャモ二にはバスで2時間程です。一泊すれば半日~1日のハイキングが可能です。絵には画家の「哲学」「インテンション」とまで言わなくとも、やはり画家の「感情」が込められている必要があるでしょう。とすると、気に入るモチーフはそう沢山あるわけではありませんが、これらのスケッチや写真をじっくり眺めていると、今まで見逃していたモチーフが浮かんできます。それにしても、うまくいったワイと思った絵も、「風景」の美しさに依存しているのではないかと反省しきりです。もっと「私の風景」を描きたいものと模索中です。

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