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2021年 作品集 目次
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まえがき

 

 皆様のご協力により第59回東京黒百合展「作品集」が出来上がりました。

 2020年~2021年の2年間に渡り、世界中を恐怖のどん底に落とし込んだコロナウイルスの蔓延によって、この2年間、東京黒百合展は中止になってしまいました。

 私達はそんなコロナに負けずに、創作活動を継続する事が大切だと考え、今回は発表の場を作品集に致しました。

 コロナウイルスの影響により世の中は、経済活動を始めとして、芸術活動や様々な創作活動の場が完全に奪われてしまいました。

 外出や人に会って会話する事すら出来ない、人類史上まれにみる不自由な日常にも直面致しました。

 2021年11月上旬の現在、やっとコロナの終焉に向け、ほのかな明りが見えはじめて来ました。そして2年間に渡る苦闘と我慢の連続のコロナ禍を乗り越え、希望も感じる事が出来る今日この頃になってきました。

 来年は作品発表の会場でお会いしましょう。

 

第59回東京黒百合展 幹事 細井眞澄(作品集制作・編集)
 

001 会津光晨 「夜の風」 油彩 F20号

原始、山は神々の住む処だった。異界の夜、はためくように風が吹き渡る。

 

002 東和子「3つの林檎」鉛筆 F6号  

香り高い、赤い林檎は目にも鮮やかで、いつも魅了される。林檎の「真っ赤な情念とボリューム感を表現したい。無我の境地で描く。描いた後、「世界が輝いて見える」「絵を描くこと」は私の大事な「自然からの恩寵」。

 

003 石川三千雄「秋の妙義山」油彩 F20

以前軽井沢への途中、山へ突きでる妙義山を気に入り、昨年10月描きに行った。妙義ふるさと美術館内も素晴らしい。

 

004 一色通三「竹の寺地蔵院」アクリル F10

京都の葵祭の時訪れた地蔵院の竹と門の美しさを描きたいと思いました。

 

005 伊藤敦之「青函連絡船(大雪丸)」水彩 P5

昭和36年北大入学、青森から函館の間、乗りました。同型船「洞爺丸」は昭和29年台風で沈没しました。今は夢の夢です。

 

 

 

006 江澤昌江「幽霊にかける言葉」版画 B5

消しゴムハンコも少し大掛かりになり気に入りの言葉を彫る楽しみが出来ました。謡曲から選んでみました。

 

007 大谷芳久「瀬戸内海の造船場」油彩 F30

猛暑、台風の襲来する昭和最後の夏、たまたま気温が下がり台風の影もない8月中旬にスケッチした風景です。

 

008 奥野嘉雄「雪化粧の手賀沼」油彩 F10 

雪化粧の魚舟が朝日に映えて浮かぶ姿には郷愁を感じる。最近の沼はヨットが浮かぶが、やはり魚舟の姿が似つかわしい。

 

009 尾中健二郎「海鵜(強風の城ヶ島にて)」 写真 A5

荒れ狂った海の水面を一羽の海鵜が滑翔している情景写真。色はパソコンで変えてあります。

 

010 笠木貴美子「再生」墨 50号相当

今年早春、手術後の抜糸を終え出て来た病院の横、白木蓮一本だけが寒空の下で満開だった。暫し見とれた。忘れられない。

 

 

 

011 笠原寛「岩山の秋」油彩 F30

100号の絵の下絵です。示現会の研究会でリモートで指導を受けています。二回目が終わった時点の作品です。

 

012 鏑木照美「バガンの夜明(ミャンマー)油彩 F80

ミャンマー旅行でバガンに行った時、見晴らし台からのながめに、心打たれ描きました。

 

013 喜多勲「お花畑と少年」淡彩 F3

お花畑に座りこんでスケッチブックを拡げていると、通りすがりの少年が「シェーン」と言ってくれた。こちら「ダンケシェーン」

 

014 木綿弘子「待つ」油彩 F50

コロナ禍の中、ひたら耐える日々でした。若い人にとっては貴重な時間が失われた事が残念です。

 

015 桑山雅子 「本当は「青の世界」」アクリル P10

最初青系で統一しましたが心が寂しくなり、暖色を加えたら加え過ぎました…。さて「青い鳥」は見つかるでしょうか…。

 

016 小石浩治「鹿踊り」油彩 F30

「鹿踊り」は岩手県の郷土芸能。風の音、鹿たちの気持ちを言葉として聞き取る体験をするが、遂に動物と人間との違いを忘れ、鹿の世界と一体になって踊る男の話になぞらえた。宮沢賢治の童話「鹿踊りのはじまり」から

 

017 後藤一雄「ウィルスの驚異」CG 720×540

ウィルスの驚異・不安をテーマに制作した。2019年中国武漢で確認された新型コロナウィルス。瞬く間に地球規模に広がった。暮らしや様々なシステムに影響を与えた。課題は山積みだ。世界が極端な方向に舵をきらなけばと願う。

 

018 佐々木繁「ヨットで江ノ島に遊ぶ」水彩 F20

昔の仲間たちの江ノ島でのヨットの練習風景です。われは海の子白波の…今でも、大海の波の上の泡として、余生を送っております。

 

019 柴野道夫「早春の梓川」油彩 F30

春を待つ雪の梓川を描く、化粧柳の林が色付く頃である。

 

020 清水全生「野外学習(船橋三番瀬公園)」油彩 F20

地元小学校の屋外行事で三番瀬の潮風の中、子供達の歓声が聞こえる。今年の第70回千葉県展の入選作です。干潟には様々な生物や飛来する水鳥も多く、将来に残したい景色です。

 

021 首藤義明「疾走」水彩 M25

競馬場の風景をテレビ画像をみてスケッチした物です。うまくいきませんが、まあまあのものを並べました。

 

022 染川利吉「無人島」油彩 P15

荒波に浮ぶ尖閣島をイメージして描いた。国が大金をはたいて買い取ったこと等が思い出される。

 

023 建脇勉「共に生きる」油彩 F20

各々の枝がおしゃべりしている。太い枝、幼い枝、不出来な枝、お互いに頑張ったり、ゆづりあったりして。

 

024 谷岑夫「海鳥の島:天売島」油彩 F20

故郷の北海道は隅々まで旅したが、まだ行き残していた焼尻島と天売島を訪れた。焼尻はオンコ(櫟)の原生林が、天売は海鳥の繁殖地として国の天然記念物に指定されている島だけに興味深かった。

 

025 西澤昭子「ピエロ人形」油彩 F3

手許に写真のあるものから選んだので古い小品に。わりと丁寧に描いているし顔も可愛い。鳥の花瓶もいい。

 

 

026 西村幸二「桜樹」デジタルフォト 3M(メガピクセル)

都区管理樹木は「剪定」とは名ばかり…と散歩の途次に増えてきたスナップのなかから、復活したが伐採されしまった遺影。

 

027 長谷川脩「モデルバーン」油彩 P20

2017年Home Coming Dayに参加した折、耐震設計が完了し一般公開されたモデルバーン(模範家畜房)を旧第二農場跡に訪ねた。学内に唯一残る手前の湧水池に、その赤い屋根とエルムの巨樹を写し込んでいた。

 

028 長谷部司「無言館」アクリル F15

昨年五月、上田の「無言館」(戦没学生慰霊美術館)を訪ね、その前庭でカンバスを拡げて描きました。

 

029 初谷長治「ベルギー、ブルージュの想い出」 油彩 P10

2012年頃、夫婦でベルギー、オランダを旅行。塔は聖母教会122m、同教会の鐘楼83mからの眺めです。

 

030 樋口正毅「夜の函館」油彩 F30

10年程前になるが青春を謳歌した北海道を旅する機会を得た。函館では山頂レストランでディナーを楽しみながら素晴らしい夜景を堪能した。難しいモチーフだが、その時の感動を描いてみたかった。

 

031 福林紀之「廃船」 水彩 F10

横浜子安の運河は、かっては働いた船たちの墓場。寂しくも味わいのある光景。そこには生活の匂いがまだあるからか。

 

032 細井眞澄「コロナ退治」油彩 F20

この2年間、コロナウイルスは世界中を恐怖のどん底に落とし込んだ。今までの日常を取り戻す為に必死にコロナに立ち向かい退治する姿を動物に込め描いた。

 

033 牧野尊敏「波を背に」油彩 F30

最近波に魅力を感じ描くことが多くなった。複雑で無限に変化する波の一瞬の姿を、人物を添えて強調してみた

 

034 森典生「秋の光」アクリル F6

草木の彩りがいっそう美しく見えた鎌倉天園から獅子舞谷を友人とウオーキング、光り輝く天空と黄葉の鮮やかさを描いてみました。

 

035 山川直美「こどもたちのイラストシリーズ」ペン、鉛筆

こどもたちのふとした瞬間を表現したくて、ときどき描いているイラストです。

 

036 渡辺理枝「象への思い」油彩 F10

東武動物公園で私が口笛を吹くと一頭の象が私の前まで走ってきた。私は感動した。囚われの動物に対する一方的な思い入れなのだろう。

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