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牧野尊敏水彩画集を再発行するにあたって

 2015年に最初の水彩画集をこのホームページに掲載した。今回は2回目になり、その後に描いた絵を中心にその一部を掲載することとした。展覧会に出品しすでに公開しているものもあり、一部の方はすでに見ているかもしれないが、多くの方は見る機会がなくそのままである。
 今回再びこのホームページを利用することで、拙作で恐縮ですが私の水彩画を多くの方に見ていただける機会を設けた。尚、各絵にコメントを添えたが、一部には個人的な内容を含んでいることをご了承願いたい。
 絵は何のために描くのですかと聞かれたことがあり、私は楽しむためですと答えたことがあった。その気持ちは今も変わらない。
 コロナ禍で長い間、自粛生活が続いて気持ちも萎縮し、楽しむ気にもなれず絵筆を持たないときもあったが、鉛筆、ペン等のデッサンやスケッチで簡単な絵は描き続けていた。絵は描く人の気持ち、考えが表現され描かれるといわれるが、私はそのことをあまり気にせず自然体で描いている。
 私の絵は風景画が多いが、それにとらわれず興味はすべてのジャンルに亘っている。風景画が多いのは、スケッチであちこち地方へ出かけることが多く、その時に取材したものをベースにしているからである。スケッチ場所は国内がほとんどであるが、スケッチポイントを探すのに周囲を歩き回るので自然と足腰は鍛えられる。
 展覧会等の出品のために描いた絵を含め大半の絵は、現場でのスケッチと現場で撮った写真をもとにしている。私自身にとって特にスケッチ絵は絵の日記、絵のメモのようなものである。ときには自分の絵をみて当時を懐かしく思い出すこともある。それは一緒にスケッチに同行した先輩や故人を思い出すこともあるからである。
 時折知人等他人の描いた絵をみる機会があり、展覧会をのぞくことも多い。他人の絵を見るときは、目的をもって絵を描いているときと、そうでなく漠然とみるときとで、絵を見る見方が変わってくる。いずれにしても展覧会の絵をみることは、私にとって少なからず多くの刺激を与えてくれる。
私の絵はどのように見られているのかわからないが、絵を描く人、描かない人に関わらず、少しでも人生を楽しむ刺激になり、その人の心に響けばよいと思っている。

2022年6月   牧野尊敏

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