「みんなの日本書紀ドリル」 イラストについて
山川直美
2022年東京黒百合展出品イラストは、福井神社庁製作の小冊子「みんなの日本書紀ドリル」用のものでした。冊子を会場に置かせていただいたのでお手にとっていただけた方もいらっしゃるかもしれません。
このドリルの一冊目「はじめの一歩の巻」が発刊された2020年は日本書紀が奈良時代に編纂されて1300年という節目の年でした。
また、コロナ禍で暗い話題の多い中、何か明るい話題をということで、子供たちに向けた
生まれた国の神話を楽しく知ることのできるもの、集まらなくても手軽に読めるポケット版
の冊子をつくろうということになったと聞いています。子供たちへ向けたものなので、イラスト入りで親しみやすいものがいいだろうということで、冊子づくりの委員会の一員である母からイラストの依頼を受け、描かせてもらうことになったというわけです。
内容は、クイズがところどころにあり、答えは何だろうと読み進めているうちに日本書紀に
ついてわかりやすく知ることができるものになっています。文章は母が担当し、イラストは
母からこんな感じのものをとオーダーをもらったり、私が思いついたものを提案したり、
相談しながら制作しました。
例:「みんなの日本書紀ドリル」(神代の巻)
・・天照大神は悲しまれ、天(あまの)石窟(いわや)を閉じて隠れてしまい、高天原も地上の中(なか)つ国(くに)も真っ暗闇になってしまいました。神々は、天(あま)照(てらす)大神(おおみかみ)が天の岩戸を開けてくれるように、大声で、○ア?叫びました ○イ・笑いました ○ウ・泣きましたすると何が起こったのかと天照大神は岩戸を少し
あけたのです。「それ,いまだ!」手(た)力雄(ちからおの)神(かみ)が岩戸を大きく開き、天照大神を隠れていた石窟(せっくつ)から外へ。・・・
作中に出てくるキャラクター、みこちゃんとふみまろ君は私の2人の娘をモデルにしています。なので ふみまろ君が男の子っぽくない箇所がときどきあるかもしれません。
また両手をまっすぐに描いているポーズが多かったり、年齢感が統一できてなかったり、と
いうところが反省点で、もっと身体、手足をうまく描けるように、そして描きわけられる
ようになりたいなと思います。
特に最後まで苦戦したのは天の岩戸の前でアメノウヅメノミコトが舞う場面です。
舞を見て神々が大笑いしている──賑やかな感じ。でも神聖な感じも残したくて悩みました。
天照大神の役として登場する みこちゃんが、おちゃめな感じが出せたかなと気に入っています。
編集注:
“日本書紀ドリル?はじめの一歩”(令和2)と “日本書紀ドリル・神代の巻”(令和3)は
編集:福井県神社庁教化委員会 監修:平泉紀房(金沢工業大)
発行:福井県神社庁 装画:山川直美 ・[令和2年日本書紀成立千三百年の年に---]記念
として制作・発行されました。
なお、文中「文章は母が担当し・・」とあるのは、御母上は、神社庁教化委員会の委員のお一人です。イラストは、山川直美さんによるものです。
本冊子は東京黒百合会第60回展の折、会場の応接テーブルに供覧用として置かれていました。
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