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私のモチーフ
木綿 弘子 70歳を過ぎた頃から、突然老人の看護と病院通い、孫の世話と、急に身辺が忙しくなりました。ちょっと前までは、人ごとの様に思って、のほほんと暮らしていたのが、こんな日がくるとは・・・ 先月は母(96歳)の所に行ってきました。 ずっと元気で少しは意思疎通がはかれた頃、マリー・ローランサンの「花束を持つ婦人」の絵はがきを送ったら、この人私なのと、いたく喜んでいたけど「そんなわけないでしょ。」とも言えず「うん、そうよ。」と言った。 そんな経緯もあって母の大好きな場所(三瀧寺)に座っている、母の絵を描いて(もちろん花束も添えて)その写真を持っていきました。「これは、お母さんだよ。(正真正銘)」と言うと、写真をじっと見ていて、なにか嬉しそうでした。間に合って良かった! あまりに日々忙しいので、絵なんて描く暇もないし、描いてもゴミを増やすだけ、なんて思っていたら、あら不思議、こんな時こそ自分のすきなものを手放してはいけないという思いが沸き上がってきました。 「夜と霧」のビクトール・フランクルの言葉「美しい芸術や自然には苦しい状況を忘れさせて

東京黒百合会
7月5日読了時間: 2分


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寄贈の旅 中(2026.07) 長谷川 脩 「寄贈の旅」と名付けた今回の旅は、創基150周年を迎える北大を祝うとともに、絵の寄贈と、会報への記事転載を快く承諾してくださった文書館へのお礼を目的としたものである。同時に、今後、北海道を訪れることは、それ程多くないだろうという思いもあった。そこで、これまで訪ねたことのない場所や、かつての思い出がよみがえる場所を組み合わせて旅程を組んだ。 最初に帯広に降り立ち、十勝バスで中札内へ向かった。そこから約1.2kmの場所にある「六花の森」へ、レンタサイクルとヘルメットを借りて向かった。 目的は、Spring ephemeral(春の妖精)と呼ばれるオオバナノエンレイソウの群落を見ることだった。北大植物園に自生地があるが、立ち入り禁止区域であり、規模もそれほど大きくない。六花の森では、群落を見るには時期的に少し早く、咲いている数も多くはなかった。それでも、陽光の下、川辺に真っ白な花を咲かせる清楚な姿を目にすることができた。豊かな水が欠かせない植物であることが、実際に見てよく分かった。生命力が強く、良く繁

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7月5日読了時間: 9分


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投稿 「雪と土と星の町」1 (2026/07) 小石 浩治 「暮らしの手帖」1964/昭和39年73号 編集:花森安治 記事の表紙を飾る雪の町の風景 本棚の整理・断捨離中の出来事ですが、昔の家庭雑誌「暮らしの手帖」に札幌や北大のことを書いた記事(1964年春季号)を見つけました。 4月6日、今年の北大の入学式が北広島・日ハム球場で行われたのを見て、新入生だけでなく私のような爺婆の心の残り火に細々とですが、小枝の一本も加えてもう一度燃え上らせてくれたような気がした。 この投稿によってOB・会員の何人かが共感してくれることを願っています。「手帖」の記事は昭和39年ですが、時代が変わったとはいえ現代の日本、北海道、東京の姿とあまり変わっていないような気がした。 (小石) 一世紀。丁度百年前。1864年。ヨーロッパではプロシャ・オーストリアとデンマークが戦っていた。ロンドンでは、いわゆる第一インターナショナル、国際労働者協会が生まれた。ロシアではトルストイの「戦争と平和」が出た。ジュネーブでは赤十字同盟ができた。アメリカでは、

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7月5日読了時間: 5分


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北大ポプラ並木 (2026.07) 小石浩治 1.旅・心の風景 「北大ポプラ並木」 森田美由紀 (朝日新聞 1999年2月4日 夕刊より) 北大のポプラ並木は有名だが、期待外れの札幌の観光名所と、時計台と並んで評判は今一つである。 実際、並木というには、本数はそう多くなく、何本かは風雪に耐えきれずに倒れ、櫛の歯が欠けたような姿は、もの寂しささえ感じる。しかし冬のある日、偶然、全く違った角度から目にしたポプラは、もの寂しさとは程遠い力強い姿だった。 爽やかな気候と豊かな緑や花を求め、夏に北海道を訪れる人が多いが、北国がその魅力を最も発揮するのは冬である。白い雪が余計なものを覆い隠し、普段は見えない特質を浮かび上がらせるからだろう。 二十年前の北大の入試の日も、試験時間が繰下げになるほどの大雪だった。間断なく降る雪が、あらゆる音を吸収してしまう静寂。一面の銀世界にナナカマドの赤い実。 広いという以外、特別な印象のなかったキャンパスの幻想的な景色を見て、どうしてもここの学生になりたいという思いが、試験の直前になってわき上がってきた。しか

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7月5日読了時間: 4分


令和8年春の一泊写生会報告
清水、牧野 恒例の一泊写生会は、令和8年5月14日(木)15日(金)に山梨県の中央本線「日野春」で、甲斐駒が岳、鳳凰三山、八ヶ岳等をスケッチして来ました。この地「日野春」は当会でも15年程前に利用し、JR・バス等交通の便も良く、宿も駅に近く、スケッチ場所の選択も宿にマイクロバスがあることで自由が利き、次回はここでと決めていました。旅館は「画家の宿」とPRし、過去に往来した多くの画家の絵を館内に飾り、楽しい雰囲気の場所でした。写生会の参加者は、幹事の日程調整がヘタなこともあって、奥野、清水、長谷川、長谷部、牧野、森さんの6名の少人数でした。 初日は午前11時30分に日野春駅前の志満屋旅館で待ち合わせ、スケッチ道具を持って旅館のバスで15年前と同じ場所へ行き、近景に水車小屋のある付近で、甲斐駒が岳の山裾が広く見える場所でその姿を描きました。午後からは、曇り空の後、一時、豪雨が有り、山肌がはっきりせず描き憎い状況も有りました。それでも、午後15時半頃迄、各自、思い思いの写生を続けました。 甲斐駒が岳の全景 (清水提供) 夕食は大きな絵を数点

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7月5日読了時間: 2分


ニュース:202607
東京黒百合会会報 2026年(令和8年)7月号 通算474号 (1985年 / 昭和60年創刊 北海道大学メインキャンパスに広がる第一農場は、農学部・農学院・農学研究院に隣接しており、農学分野に関わる多彩な教育研究に活用されている。 日常の実験・実習で容易にフィールド研究ができるという環境が特徴になっている。 (YouTube“北大夏景色”より 提供:北海道大学・広報部) ◯ 新入会員の紹介 1.小池聡(こいけ さとし)62歳 略歴:北大文学部(行動科学科社会行動学専攻)1987年卒 略歴:(株)ADKマーケティング・ソリューションズ 主に消費財やD2C(Direct to Consumer)事業者の広告・販売支援 入会動機:父の遺品を整理していたところ、細井真澄さんの名刺を見つけ連絡を取らせていただいたのがきっかけです。 ]1980年代北大黒百合会に在籍していた頃は、絵画から立体、身体表現など、稚拙なが ら自由にやっておりましたが、卒業後、徐々に表現活動から離れ、平面絵画においても研鑽がないまま、今に至っております。この機にあらためて

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7月5日読了時間: 6分


私のモチーフ
(2026/04) 鏑木照美 下の作品2点は、数十年前、主人のタイ日本大使館勤務の頃、初めて油絵具を使って描いたものです。絵を習い始めて講師から課せられたのは、思いもよらずデッサンでした。1枚描くのに3~4日を費やし20数枚を描き終えて、ようやく油絵具を使うことを許された時の作品です。対象の花を見つめながら、思いどおりの色彩でカンバスに描いた時、念願が叶った気持ちは、これまで味わったことのない大きな喜びでした。 「ブーゲンビリア」油彩 F4 「ラン」油彩 F4 主人の4年におよぶ勤務が終わり帰国することになりました。帰国が決まると大部分の方は喜ぶのですが、私はそのままタイで絵を続けていたい気持の方が強かったのです。バンコックから日本に戻って新たな先生の指導を受けたり、仲間と合同展を開いたりしていました。その後、息子が北大の農学部に在籍していたことで、2017年から東京黒百合会に入会させていただき現在に至っています。 2019年に新型コロナウイルス感染症が発生、2020年には世界中で6億人もの人々に感染が拡大しました。日本でもまたたく間

東京黒百合会
4月5日読了時間: 3分


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歌麿「雪月花」三部作と日本の文化財の海外流出 長谷川 脩 昨年(2025年)11月、岡田美術館(神奈川県箱根町・2013年開館)に収蔵の江戸期の浮世絵師・喜多川歌麿(?~1806)の肉筆画「深川の雪」が香港で開催のオークションにかけられ約5500万香港ドル(約11億円、手数料込み)で落札された、と新聞に載った。歌麿作品の落札額の最高額だという。同館の資金繰りが悪化し売却となったらしい。 「深川の雪」は歌麿が栃木の豪商善野伊兵衛の依頼で描いた作品で、その他に「品川の月」「吉原の花」と合わせて「雪月花」三部作と言われている。「深川の雪」が同館の所有になった時(2014年)、米国にある他の作品と共に三部作揃った展覧会が計画された。だが、外部貸出禁止の「品川の月」だけは原寸大の高精細複製画が用意され、併せて3作品が揃うことになった。その滅多にない機会に箱根まで観に行った。それぞれ大きさが異なる3作品が壁一面に飾られ、その迫力には圧倒された。 「深川の雪」198.9×341.1cm、制作1802~06年頃 江戸深川の料理茶屋の2階座敷で辰巳芸者や支

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4月5日読了時間: 7分


寄稿 幻の地中海クルーズ
―かたつむり旅日記― (1) 長谷部 司 これは平成二十三年春に体験した七泊八日の西地中海クルーズの日録である。 寄港地は、イタリアのチヴィタヴェッキアから乗船して、シチリア島のパレルモ、サルデーニャ島のカリアリ、スペイン領マヨルカ島のパルマから本土のバルセロナ、次いでフランスのマルセイユに寄港後イタリアのサヴォナ経由でチヴィタヴェッキアにもどるというものである。 船はイタリアのコスタ社が運航する「コスタ、マジカ」乗客三千人、乗組員千人を収容する十二万トンの大型客船であった。 ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ ∽ 三月三十一日、木曜、日本 夕刻成田空港内のホテルに到着。ロビーもエレベーターホールも大震災による節電で薄暗く、人影も疎ら。そのせいか建物の古びた汚れが目立つ。 部屋に落ち着いて、これで後戻りはできないと思う。 三陸沖地震の被害が日ごとに明らかになり、国中がその規模の大きさと惨状に衝撃を受けている最中、自分ひとり日本を離れて旅に出ようとしている。それも地中海クルーズとイタリア美術巡礼という呑気な旅に。 美談としては即座に旅行をキャ

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4月5日読了時間: 5分


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2026/02/20東京同窓会誌 FRONNTIER第68号「風景との対話」 写真とテンペラ画、そして郷愁 采 孟(S45・獣医) 私は仕事の関係で自分でも驚くほど多くの国々を訪問しました。 米国、インド、中国、西欧、東南アジアのように何度も訪れた国々もあれば、東欧、中近東、アフリカ、南米のように数度しか訪問の機会がなかった国々もあります。都会ばかりではなく田舎の街もありました。 仕事が目的ですから街に出かける時間は限られていましたが、それでも今回はどのような風景に出会うだろうと、どこかワクワクしながらカメラとフィルムを携えて出かけました。 最近ではデジタル技術でカメラワークは革命的に変化しましたが、以前は貴重なフィルムですから一枚一枚を実に大切に使い、その時感動した風景だけを撮影しました。そしてこれらの写真の中から気に入った写真を選び、一連の編集作業を経て毎年一冊の割合で写真集として仕上げてきました。写真集のタイトルはTravelogue、既に30冊を超えました。 私は十数年前にご縁があってテンペラ画のグループに加えていただきました

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4月5日読了時間: 2分


寄稿 展覧会を訪ねて
小石浩治 第48回日本きりえ美術展(’25/11/19~24) 都美術館に細井夫人・章子さんが2点出品されていた。以前、細井夫妻による「二人展」で拝見した「阿修羅の杜」(阿修羅が森の中央に立つ図)に棲む眷属(四天王に従う鬼神たち)に、森の一番鳥が夜明けを告げる・・そんな感じのする作品に仕上がった。樹の小枝が朝焼けの背景に映える。 「森の夜明け」 細井章子 もう一つは今回で“きりえ協会賞”受賞の作品。殆ど黒色の画面に、わずかに青、赤のアクセントをつけて、「駒屋さん」の店の中を描いたもの。中央の暖簾下で、何か整理している女将さん、後ろの棚、左横の棚に並ぶ様々な品。天井から吊り下げた鉄瓶等、古道具屋さんの店内風景。“神は細部に宿る”という格言がある。わずか1~2ミリの黒い線を切り取る作業は、集中力、忍耐力を要求される。上記お二人の背には神が宿っている。 「飛騨古河駒屋さん」 坂部 信子 ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢(ゴッホ:1853~1890) (都美術館 ’25/9/12~12/21) 左記のきりえ展と並び、ゴッホ展が開催

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4月5日読了時間: 2分


ニュース:202604
2026年(令和8年)4 月号通巻4 7 3号(1985 /昭60年創刊) Spring ephemeral 2 (クロユリ群生) 撮影:2008年黒百合会100周年記念展開催の春、北大・花木園北大・創基150年(2026.8.14)を祝して、昨年4月号のオオバナノエンレイソウに続き 春の妖精(Spring ephemeral)と呼ばれる花々から本号をクロユリで飾ります。 ◯ 新入会員の紹介 ・齋藤真姫子(さいとう まきこ) ・小池 聡(こいけ さとし) ・柳澤 咲子(やなぎさわ さきこ) ・細井 章子(ほそい しょうこ) j次回、皆さんに自己紹介をしていただき掲載する予定です。 ◯令和8年 春の一泊写生会の開催案内 幹事 清水全生、牧野尊敏 今年の写生会は、早春の暖かい日差しの下で残雪の甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山、八ヶ岳連峰、他を見上げ、ふもとを流れる

東京黒百合会
4月5日読了時間: 2分


第63回 東京黒百合展・総括
展覧会幹事 細井眞澄 今年は大変な猛暑で体調をくずされる会員の方もおられましたが、24名が参加され、出品点数は大小合わせて51点となりました。 皆様のお陰で、大変に楽しく盛会の内に会展も無事、終える事が出来ました。そして天候にも恵まれ、沢山の人々が会場にお見えになりました。これも一重に会員や多くの皆様のご協力のお陰だと心より感謝申し上げる次第です。 会期中や打上パーティーでは当会の伝統でもあるとてもなごやかな「お楽しみ村」の雰囲気になっていました。日頃お会い出来ない会員同士の親睦も、はかる事が出来たかと思います。 今年は打上パーティーの後に「新渡戸の夢」の映画の上映会をやる事が出来ました。北海道から九州まで全国各地で上映されており、我が黒百合会の名前も全国に徐々に伝わってきております。 来年は何人かの若手の新人も加入する予定です。次回も全員参加を目標に、力作が所狭しと会場に並び、とても気楽で楽しい会展が開催出来る事を楽しみに致してお ります。 秋の広徳寺大銀杏 都指定史跡・あきる野市臨済宗建長寺派寺院

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1月1日読了時間: 1分


私のモチーフ
笠原 寛 我が闘病記 年月だけは、誰にも平等にやって来ます。私は来年(2026年)には86才となります。 自分でも80才を超えたとは不思議な気がしています。 免許を返納してから写生旅行に行けなくなり、新しい風景を目にしないため、なかなか絵筆が進みません。 ですから『私のモチーフ』の兼題には困りましたので、私の近況を報告することで勘弁してください。 私の日常は病院通いです。 年寄には「教育」と「教養」が必要だと聞いた事があります。「教育」は「今日ゆく 所がある」、「教養」とは「今日ヨウジ」がある。 この二つがある御老人は幸せであるという事です。 ですから毎日病院通いでも幸せかもしれません。もっと病気が重くなれば病院にも通えませんから。 (月水金)の週3回は、「透析」に行きます。1回での施術には4時間かかります。右手は血圧計、左手は2本の注射針を刺したままで、ベットの上です。 それでは足腰が弱ってしまうので、それを補修するために、火木の2回ヨガを中心とした体操教室に通っています。 こちらは3時間ですが、お茶を飲みながらのお喋りタイ

東京黒百合会
1月1日読了時間: 2分


風景との対話
坂の街小樽 青木 康明(S47教育) ご存じの通り、小樽は港の街である。そして、天狗山を背にした坂の街でもある。 近年、知らない人との会話の中で小樽出身であると告げると、 「きれいな街ですね」といった反応が返ってくるのだが、これは市が観光に力を入れ始めた以降の、運河から港にかけての整備された一帯を見ての感想だろうと理解している。 自分は、小学校から昭和47年大学卒業までの青春時代をこの街で過ごした者であるが、その頃の運河付近や港の一帯は観光客が訪れるような場所ではなく、専ら港湾業に携わる人達が行き交うようなところであった。逆に、運河より山側の地域は、今とは違って、地元住民達の生活で賑わい、活気に満ちていた。 私の家は天狗山に程近い位置にあったが、街中へはいつもバスなど使わず歩いて行ったものだ。小樽の街は歩いて回るのに丁度よい位の規模ではあるが、今思うと坂道をよく歩いたものだと改めて感心する。 家から街中に向かう途中に小樽公園がある。新緑の頃、ここから望む小樽湾の景色が特に好きだった。木々の緑の合間から見える小樽湾の茫洋とした眺めとその先

東京黒百合会
1月1日読了時間: 2分


投稿“ 誰も貰っちゃ くれないし”
「コメ騒動」 小石浩治 ①「田おこし終えて」2003年 演歌(♪紅とんぼ)ではないが、(古キャンは)“誰も貰っちゃくれないし”、加えて狭い部屋を占領しているからなんとかして・・ と苦情を言われるので、断捨離を決意し木枠と画布を分離(釘抜き)して廃棄することにした。捨てるに当たり、改めて作品を見ると、以前、近くの舞丘公園を散歩中、農作業の風景を見て構想が浮び、会展の出品作としたものだった。制作年を見ると、その時の気分次第で農作業風景を画題にしたもので、農作業の順序を意識したものではない。コメ作りの一連の農作業風景がたまたま順序よく揃ったものである。 ②「田植え」 2008年 「“田おこし”終えて」は、田植え前に田んぼの土を耕して肥料を混ぜ、地力を向上させる作業がある。その作業(現在はトラクターを使っているようだ)を 地元の有志・若い娘たちも終えて、湧き水のところで、娘たちが無心に白い足を懸命に洗っている。 「田植え」は、地方によっては、男たちの笛や太鼓のハヤシに合わせ、娘たちが田植えする、いわゆる早乙

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1月1日読了時間: 2分
![寄稿 「金婚の日」[八][九] 最終回](https://static.wixstatic.com/media/11062b_5ce0aac08ae94b13bbcebd9f440a537c~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/11062b_5ce0aac08ae94b13bbcebd9f440a537c~mv2.webp)
![寄稿 「金婚の日」[八][九] 最終回](https://static.wixstatic.com/media/11062b_5ce0aac08ae94b13bbcebd9f440a537c~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/11062b_5ce0aac08ae94b13bbcebd9f440a537c~mv2.webp)
寄稿 「金婚の日」[八][九] 最終回
長谷部 司 [八] また、タクシーだった。 こんどは父母が五十年前に新婚生活を始めた安アパートを見に行くのだという。 そのアパートがまだ残っているのだと父はいう。 最近は、父の考えにとやかく異論を挟むことの多い母だが、今日ばかりは父のある種の気迫に押されてか、黙ってタクシーに乗り込む。 そのアパートは、四谷と信濃町の台地に挟まれた細長い低地の、狭い路地の奥に建っていた。周りを新しいマンションに囲まれたその木造二階建て四部屋からなる貧弱なアパートは、小さく見る影も無く古びていた。各部屋は四畳半に半畳ずつの押し入れと形ばかりの台所がついているだけでトイレは二軒ずつの共用、風呂は銭湯だという。驚いたことに四軒ともまだ人が住んでいるようだった。 「ここが私達が住んでいたところ」そう言って母が指さしたのは一階右側の部屋で右端に入口のドア、左は一間の腰窓になっている。 これこそ、まさに「巣」ではないかと啓吾は心の中で叫んだ。 「あの頃は、周りにビルなどなかったから冬でもよく陽がさしてあかるかったのよ。それに新築の一番乗りだったから新しくて気持ちがよ

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1月1日読了時間: 3分


令和7年一泊写生会報告
写生会幹事 清水全生、牧野尊敏 恒例の令和7 年の写生会は、9 月末~10 月初めの第63 回東京黒百合展が終了後、11 月13 日、14日に紅葉シーズンを見計らって群馬県富岡市の妙義山で行いました。 参加者は、江澤、采、大谷、奥野、清水、長谷部、福林、牧野、森さんの9 名でした。 前回は令和4 年のコロナ明けの春に、妙義山写生マップを頼りに白雲山、金洞山、金鶏山の3 山の総称として妙義山を描いたが、それらの特徴とも言える荒々しい岩峰や尖った奇岩が林立する姿は、深い緑に隠れて見られなかった。今回は是非、紅葉で飾られた山肌と岩峰を描きたいとの思いでこの時期に企画させて頂きました。 初日は信越線松井田駅に午前11 時集合し、旅館のマイクロバスで駅に近い3 山の全景が見える位置(前回と同じ)をスケッチポイントとし、その場所へ移動し、午後3 時に迎えのバスが来るまで写生を続けました。ただ、当日は曇り空でその影響で、山肌が全体的に黄色く見えるが、遠方にあることで明瞭さや色の判断に迷う状態でした

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1月1日読了時間: 4分


ニュース:202601
2026年(令和8年)1 月号通巻4 7 2号(1985 /昭60年創刊) 北大農学部(You Tube “北大冬景色“から、提供:北海道大学・広報課) 北大の前身は札幌農学校で、現在も農学部が北大を代表する学部になっている。北大を紹介する際に農学部の校舎の写真が使われることが多い。現在の校舎は昭和10年(1935年)竣工された。 ◯ 目 次 1.令和7年一泊写生会報告(清水、牧野) 2.金婚の日 [八] [九] (最終回) 長谷部 司 3.投稿「コメ騒動」 小石浩治 4.風景との対話 青木康夫 5.私のモチーフ 笠原 寛 6.第63回・東京黒百合展・総括 幹事 細井眞澄 東京黒百合会事務局牧野尊敏 松戸市稔台2-16-9 ft 047-363-7410 会報編集発行長谷川脩 ホームページ(HP) : https://510kazuo. wixsite. com/kuroyuri

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1月1日読了時間: 1分


私のモチーフ
2025.10 笠木玉泉 ご無沙汰致しております。昨年の黒百合本展は急な入院になりまして失礼致しました。 今年も、先日まで点滴に通う羽目になりまして、ちょっと凹んでいますが本展には行ける筈です。 夫を亡くして5年の内に、3回も入院して2回手術になりました。自分で思ってい...

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2025年10月4日読了時間: 2分
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