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執筆者の写真東京黒百合会

私のモチーフ

細井眞澄

 アット言う間に30代から70代になってしまいました。私のモチーフは相も変わらず擬人化した絵に仕立て上げ、その時代の断片や自分の考えを表現し、夢や希望を伝えられる様な絵を常に描きたいと思っております。そして絵の描き方も年と共に変遷しており、若い時はきつい表現でも平気だったのですが、年と共に絵に優しさを求める様になって来ました。ここに30代、50代、70代の20年毎の絵の違いを並べてみました。

1は自営業として独立して会社を設立した年に描いた絵です。自分の人生には入口も出口も色々あり、これからどうなって行くのか分からない不安も画面に描いております。 


「彷徨の果てに」1983年(34才頃)


2は原爆が投下されたビキニ環礁地帯をベースに狂牛病問題を風刺して描きました。

「 無心」2002年(53才頃)


3は「私たちの道」(北海道命名150年記念曲)からヒントを得て描きました。すなわちモチーフは歌からです。北海道の現状は長引く不況や自然災害に見舞われ、先行きの見えない不安を抱えております。そんな時代だからこそ北海道に流れるスピリットで乗り切ろうと歌っております。私はその歌に感銘し何とか自分なりのメッセージを絵に表現したいと思いました。 北海道の原野の中を道産子が一生懸命に道を切り開きながら、地球を引っ張って行く。その姿をアイヌの幸せの守り神「フクロウ」がじっと見守り、北の大地の動物達も声援している姿を表現しました。そんな「私のモチーフ」を捜すのにいつも七転八倒し、四苦八苦している私です。

「見果てぬ夢」2019年(70才頃)

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