----アクリル絵の具に魅せられて----
私は長く油絵だけしか知らず、定年になってから絵を始めたことでもあり知識が乏しく不器用なので、水彩の良さも色々とお勧め頂きましたが油彩一つに拘って楽しんできました。 ところが、平成24年の「北斗展」に若松八郎さんが「インドの菩提樹の下で」をモノクロで出品され、その後、『竹内果樹園主』の人物の表情と色彩、翌年には[tokiko]を出展されアクリル画の持つ魅力的な色調・彩度に接し感動したのを覚えています。 お聞きしたところ、アクリルの権威者でケミストであられるとのことであり、色々のお話を興味深く聞かせていただき本当に勉強になりました。今後ともお教えいただくのを楽しみに平成25年にアクリル画に切り替えました。 描いてみてこの画材のよいところは、様々な表現ができ使いやすいということです。 1、毒性がなく臭いが少ない。 2、乾きが早いので片付けがとても簡単である。
「三渓園の雪景色」P15
乾きが早いのでモチーフへの創作意欲も継続するのかも知れないと勝手に思っています。 薄く塗ったり、厚く塗ったり、多様な使い方ができるし、早く形作りができるためか意外と自分なりに出来栄えに気に入ることが多いです。 他の画材を一緒に使えるようになるともっと楽しむことができるのかも知れません。 未だうまくできませんが、色の混合の工夫で質感に挑戦するのも面白い。それに予測もしない色彩・色調に接し感動することもしばしばあります。 チューブから出したまま使ったり水を加えて調整したりして使います。メデイウムには輝きを出す、色調を下げる、乾きを遅くする等色々駆使すればよいそうですが、未だそこまでは至っていないです。 ペースト(糊状)や接着剤としても使えるので、砂・ガラス・貝・草などの繊維を加えて描けるようになると多様性が広がるものと思っています。 明るく鮮明な色を好む方には向いているかも知れません。白・黒や他の色を混ぜると彩度の抑えられた色も得られグラデーションに活用できます。 ただ、絵の具の色の種類が多く名前も多様で、顔料の採れた国や場所の名前、原材料を示すところからとった等のようですが、色の名前だけではさっぱり分からないのが悩みです。同じ色でもメーカーによって違う名前がついています。 私は主としてGOLDENの絵の具を使っています。 以上アクリル絵の具についての雑感ですが、若松さんがご事情あって休会されていることを先日の総会で知り残念に思っています。早く復帰されて共に楽しみお教えいただくことを期待し心待ちしているところです。
「妙義山」F20