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小石浩治

日洋展

      5/31~6/12 国立新美術館  今年第31回展の作品モチーフは、山村風景から一転して都市風景「神戸」に代わった。 神戸は平成7年・1995の阪神淡路大震災により大きな被害を受けたが、わずか2年ほどで復旧を果たし他府県から注目を集めた。平成18年には神戸空港開港、ポートライナーを延伸するなど、海、空、陸の総合交通体系が確立され、人・物・情報の交流拠点づくりを推し進めて、名実ともに国際交流都市になりつつある。  神戸港は今年1月に開港150年を迎えた。

 思えば昨年4月、熊本地方を震央とする熊本地震が発生、更に阿蘇地方から大分西部・中部にかけて地震が相次ぎ、首藤氏の郷里・大分県にも甚大な被害をもたらした。名称を「熊本・大分地震」としたことも記憶に新しい。今年で1年を経過するが、なお深い爪痕が残っている。  

神戸の復興・復旧は目覚ましいものがある。画面中央を走るのは、三宮と神戸空港を結ぶポートアイランド線であろう。赤い大橋の横に大型客船が横づけになっている。その向こうはビルが林立し、その奥は六甲山が港を守る。  飛行機は見えないが、発展する神戸港を描くとき、最適な角度かもしれない。

だがしかし、首藤氏は「神戸」を描きながら「大分」を想っていたのではないだろうか。 港の発展は頼もしいが、一方で羨ましくも寂しくもあったはずだ。私の勝手な想像だが、奥に連なる山は、故郷阿蘇の山々、山麓の農家の想いが重なっているように見える。

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