(8/17~27 上野の森美術館) 美術館所蔵の浮世絵展「江戸から東京へ」の第2弾の開催である。
第1章は初代歌川広重が葛飾北斎の富嶽三十六景を意識して描いた不二三十六景を中心に、初代広重の弟子歌川広景、三代広重の作品も展示。第二章では、小林清親、井上安治など、明治時代に活躍した絵師たちの作品も展示されていた。 ○ 歌川広重(1797-1858):「不二三十六景」 「東都名所」を発表後「東海道五拾三次之内」は爆発的売れ行きを示し、風景画の旗手として広重の名を高めた。葛飾北斎「富嶽三十六景」からおよそ20年後に「不二三十六景」(木版)を描いた。 下図;<不二三十六景神奈川海上>
○ 小林清親(1847-1915):「明治の広重」 ペリーの浦賀来航は、清親が生まれて7年目の夏である。河鍋暁斎とも交遊あった。1876年「光線画」と称し「東京名所図」に西洋画の明暗、遠近法を取り入れた。1881年頃、広重に回帰する「武蔵百景之内」等、挿絵など画域を広げる。日露戦争後は肉筆画になった。 下図;<武蔵百景之内不忍弁天 雪晴>