10月19日(木)、20日(金)に「秋の一泊写生会」を実施しました。古くからの名湯として歴史のある「湯田中渋温泉郷」を拠点にして、志賀高原の紅葉の景色を描くのが目的の写生会でしたが、生憎この季節の天気とは信じ難い連日の悪天候下での強行でしたので写生会になるかどうか不安でした。しかし経験豊かな参加メンバーがそれぞれ工夫し、お互いに協力し合って何時も通りにスケュールをこなしたのは流石でした。 四方を高山に縁取られた高原に大小の湖沼も点在し、スケッチの的を絞るのが難しく、個人個人の持つ情報に頼らざるを得ない写生会になりましたが、それが却って一人ひとりの個性を強調した作品に実ったように感じました。ただ作品の完成度としてはもう一つということもあり、持ち帰ってから更に手を入れて仕上げて欲しいと思います。 宿泊したホテルは全員10畳間に一人というゆとりのある部屋割りで湯量たっぷりの大浴場も備え、食事も申し分なく、リーズナブルな費用でした。京浜地区からの交通の便が難ですが、今回の経験を生かし、良い天候の下でチャレンジする価値があるように思います。 今回も自家用車で参加され大変に助力して下さった石川、清水両氏には主催幹事として心から感謝しています。 幹事:谷 岑夫
(追記) 雨なら湯田中の温泉に泊まるだけか・と半ば諦めながら長野電鉄に乗った。千曲川を渡ると次は(栗と北斎と花の町)小布施である。湯田中に近くなると林檎や葡萄畑が歓迎してくれた。スーパーや生協でみる林檎とは全く違う果実に見えた。 旅館では空模様を気にし、スケッチポイントを相談しながら弁当を食べた。湯田中の少し先には渋温泉(?-石畳み、昭和初期の木造建築の旅館が並ぶ旧街道温泉街)がある。ともかくバスや車で志賀高原の蓮池辺りまで、雨を覚悟で出かけることにした(バスで約30分)。特に蓮池は志賀高原の紅葉名所でありロープウエイの駅舎あり、高原を走るバスルートの中継点で駐車場も隣接している。 山の方は霧に覆われ中腹も霞んで絵にすることが難しかったが、それでも各自、池周辺のロッジ内喫茶店の窓越しに、或いはホテルの軒を借りて小雨と霧に悩まされながら、高原の風景を精一杯、画布・画紙に残した。 翌朝は奇跡的に雨上がり、青空さえ見えて、我々を安心させてくれた。私は清水さんの車に便乗し、横手山頂上近くの日本一の標高(約2100m)にあるドライブインを目指し、下界の紅葉の景色を期待しながら登った。霧が晴れ、眼前が開けると、まさに“天空の城”が現れた。しかしそれもほんの一瞬で、押し寄せる霧が視界を遮り、山頂の冷気が下がってきたので下山することにした。 この時期、紅葉は終り、ススキや熊笹、小枝だけの白樺が山道を飾る。やはり蓮池辺りまでが北限ならぬ紅葉の限界かもしれない。 晩秋の志賀高原の写生会だった。 (小石記)
長野電鉄沿いのリンゴ畑
蓮池
横手山(2307m)ドライブインから