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小石浩治

笠木玉泉個展Ⅷ

(18’1/11~17  ギャラリー コンセプト21)  絵文字、象形文字は文字の起源かという話はさておき、少なくとも「文字」という着想は、事象や事実、意志の伝達を目的として発展してきたものであることに間違いない。 書道家として出発した笠木さんは、文字、とりわけ漢字の抽象性に魅せられて以後、表現としての書を追求するようになった。  “何をどう描くか”は絵を趣味とするものの終生の課題である。自分の何(思うこと)を(どう描くか)ということは「書」も同様である。笠木さんは文字⇒書⇒墨と、墨の世界に「思い」を馳せた。 以前墨絵をみて「これはどういう風景?」 と尋ねたら「ご想像にお任せします」と笑顔で応えた。見る人も想像の世界で自由に楽しんでほしいということ。世評を気にせず、高い技術を駆使して自由闊達に“墨の世界”に遊ぶ人の、虚飾ない言い方かもしれない。   下図①は今年の「生」②は一昨年の「生」。 同じ「生」でも<その時・その瞬間>に己が実感した「生きる力」を「生きる姿」に描き表した。声も聞こえて来るようだ。 墨のエネルギーを引き出す笠木さんのバイタリテイ、挑戦心に敬服する。  紙幅に広がる墨の黒々とした筆体の隅に小さく控える雅号印(落款印)が作品を引き締めている。

①2018年「生」180×97

②2016年「生」180×97

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