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小石浩治

第71回 示現会展

 4/4~16 国立新美術館(公募展)

 示現会会員である笠原さんは、今年も多忙な中、下図「秋の山」油彩F100を出品された。笠原さんは、鄙びた山村を懐かしく郷愁を呼ぶ「日本の山里」に変えてしまう。思うに、これまで一連の“山里好日”などに見る道は、「山」へ向かうS型になっている。 下図「山峡の里」(6年前の笠原さんの日展入選作品)はその好例である。画面下から道が延び、点在する家から隣の山、遠景の山へと眼を向かわせ主役を「里」にした。今年の「秋の山」は右下の橋は左へ向かい、左隅の家と木立が右上の森へ誘い、紅葉と稜線をつなぎ、頂上に向けてZ型を作る。視線は緑から紅葉へと繋がって主役の「山」に達する。S型Z型、どちらも風景の「主役」に向ける導線である。笠原さんは,風景画の骨法を惜しげなく示してくれた。

「秋の山」 2018年

「山峡の里」2012年・日展入選作

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