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プーシキン美術館展

小石 浩治

  4/14~7/8 東京都美術館

 モスクワのプーシキン(国立)美術館は、古代エジプトから近代までの絵画、彫刻などを収蔵する。特に印象派を中心とするフランス近代絵画コレクションは世界屈指と言われる。副題「風景画の旅へ」は、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れを紹介するものであった。

第1章 神話や古代 理想の美しさ

クロード・ロラン「エウロペの掠奪」1655年

第2章 日常、自然とともに

J・コワニエ、J・ブラスカサット共作 「牛のいる風景」19世紀前半

第3章賑わいの近代都市パリ

J・F ラファエリ 「サンミシエル大通り」1890年

第4章 木漏れ日のきらめく郊外

クロード・モネ「草上の昼食」1866年

第5章 南仏、まばゆい太陽の魅力

アンドレ・ドラン「港に並ぶヨット」1905年

第6章 憧れの異国 豊かな想像力

アンリ・ルソー「馬を襲うジャガー」19010年

展示順に作品を眺めていくと、神話がテーマの時代の、実際以上に理想化された表現から現実的表現へ、更に感覚の実現へと、風景の捉え方が変わってきたことがわかる。特に人物や自然の描き方が現代絵画とは大きく違っている。荒れる自然森林、歩きスマホと高層ビルに埋まる都市風景、これからの風景画は何処へ向かうのだろう。

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