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鏑木照美

私のモチーフ

 私が絵に取り組んだのは、47年くらい前に夫がタイ国日本大使館勤務となり、バンコクに4年間住んでいた頃のことです。1ドル360円、田中総理の頃です。  暑い暑い中での忙しい生活でしたが、次男が生まれ、一年が過ぎたころ、バンコク駐在員家族に 絵を教えておられた横田仁郎先生に出会い、幸い子育てを手伝ってくれる人が居ましたので、先生が開いていらっしゃる通称「横田塾」に入会しました。週一回お弁当持参でサートン通りの先生のお宅に通いました。先生のご指示で石膏デッサン23枚を描き上げ(一枚描くのに3日かかる)なければならず、デッサンだけで約10ケ月かかりました。 

 絵を早く描きたかったので、絵筆を握ったときは嬉しくてF4号に一気に花を描き上げました。帰国が決まった時は、横田塾に通えなくなるので残念でたまりませんでした。  帰国後は横田塾のメンバーで先生が命名してくださった「メナム(媚江画)会」をつくり、四十年にわたり「メナム会展」を行ってきましたが、今年10月の25回展をもって閉会することとなっています。  横田先生は後にバンコク市民となられましたが、十数年前にお亡くなりになられたと聞いております。バンコクでのあの経験があればこそ、現在趣味としての絵があり、生涯通しての貴重な友人を得ることが出来たのだと感慨深いものがあります。

注)横田仁郎画伯    日本政府派遣の画家。タイ美術工芸学校で教鞭をとる。水彩画、油彩画を指導。 編集注1)サートン通り;タイ・バンコクにある道路。各国の大使館が集まり高級住宅街でもある。   注2)メナム;タイの中心を流れる川、タイ人はチャオプラヤー川と呼ぶ。

「ナシ」P30

「ふじ」P30

「湖の女」ミャンマーF80

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