モチーフとは「作品表現の動機・きっかけとなった中心的な思想や題材」と言う事のようです。大家の作品を見ると誰の絵かすぐ判ります。日本画家高山辰雄氏のように、人、牛、風景などさまざまな素材を描いていても、です。つまり題材ではなく画風に個性を醸成しているからだと思います。 大学卒業後10年近く経ったころ、いつもの酒場で「未完成であっても溌剌とした新人の骨太い具象絵画を期待する・・・」と夕刊の一面真ん中にこんな記事を見ました。 日展の重鎮伊藤清永、井出宣通氏が始めた日洋展の広告です。 「攻防」と題した1点が日洋会3回展で入選しました。日洋会に入会し、東京黒百合会にも40年出品を続けたことなどが、私のモチーフの広がりを推してくれたように思います。以前指導を受けた先生から「首藤君の絵はいつもモチーフが変わるから印象が薄くなる」と言われたことがあります。 いま自分の絵を並べて見ますと、描こうとする動機などまあまあ出ているのではと思っています。
「攻防」第3回日洋展・1979年
「くじゅう硫黄山」
「神戸」六甲ケーブル頂上より
「トラデイション」第75回白日展
「友と集う」第50回東京黒百合展