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長谷部 司

「黒地のスケッチ」

 初日の夜の合評会では各人がその日の成果を披露していつものように参加者の活発な感想や意見が飛び出してまことに有意義な会だったのですが、たまたま筆者のスケッチが黒字の紙に油性パステルで描くという変則的なものであったことが注目され、小石編集長から何か会報に書くよう依頼されてしまった次第です。  実は小生既に、会報363号に「黒地のスケッチ」という題名の下に寄稿してその特徴と作の例にも触れているので、今回は重複を避けて使用する紙の種類、彩色用具等についても説明したいと思います。

 紙は2枚とも新宿の世界堂本店で買った市販のスケッチブックのものです。黒地F4サイズ20枚綴り。「KuroF4」ARTETJE社製 種類は少なく、置いてない店もあります。

編集注:(会報;平成27年8月号363号)その一部を抜粋掲載します。  ――10年ぐらい前からスケッチはもっぱら黒地の紙に描くようになった。きっかけは木炭で描いたクロッキーの白黒をパソコンで反転してみたのが面白かったからである。   (--以下省略)

 ※上図は上記寄稿文(363号)に添付されていた[フィレンツエ展望]A4と題した作品です。

 彩色はいろいろ試してみましたが、現在使用しているのは、スイス製のNEOPASTEL(ネオパステル)アーティスト用油性クレヨンです。粉っぽいソフトパステルは色が付着しないので無理です。

注意点:油性クレヨンですから消して書き直すことは困難。細密画には向かない。混色や塗り重ねは色が鈍く重くなる。したがって限られているクレヨンの色(実用的には多くて48色の中での選択勇気が必要。白地は余白や明部に活用できるが、黒地は暗部または闇にしか応用できない。

――――――――――― 下に掲げた左の一枚は初日に描いた渓流釣りの図。右の茅葺の小屋は二日目の朝一面の霧が晴れて忍野富士の霊峰が姿を現すのを祈っている間に描いたものです。

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