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- 東京黒百合会
- 4月2日
- 読了時間: 2分
東 和子さんの追悼文
渡辺 理枝
和子さん(2年先輩)に東京黒百合会で再会したのは教養1年の時以来で確か20年前だと思う。その後、一緒に旅行に行ったり電話で長話をしたり親しくしていただいた。和子さんはさっぱりした明るい理知的な方だった。
去年11月初旬に久しぶりに電話した時、驚いたことに和子さんは病院のベッドの上で、いつもの明るい声で病状を話してくださった。それからほぼ1か月後、お連れ合いから突然の訃報が届いた。いま私は、和子さんの「私のモチーフ」(令和2年10月の会報誌)に紹介された絵「裸婦」と「自由の翼」を何度も眺め、添付された文を読み返しながら追悼文を書いている。

「自由の翼」は和子さんの才能があふれた作品だ。この絵の若い女性の表情がなんとも素敵だ。しかも色褪せない赤バーミリオンが、そのままこの絵のモチーフだという。若い女性の人生をバーミリオンに重ね合わせる巧みさ、美しさにただただ感心するばかりだ。さらにこれら2枚の絵から和子さんの女性への思いが伝わってくる。和子さんは絵が好きで毎日のように描いていると言っていらしたことを思い出す。やはり良い作品を生み出すには近道はないものだと自省を込めて納得する。ほかにもこのモチーフで触れている平和への思いを何度か話してくださった。いまになって、絵について、戦争と平和について和子さんともっと深く話し合えばよかったと悔やまれる。和子さんは頑張り屋さんだったから、80歳過ぎてもなお無理しすぎて旅立ちを早めたと思うと、哀しいし、残念であり、虚しい。和子さん、安らかにお眠りください。
東(旧姓宮本)和子さんを悼む
長谷川 脩
昨年12月4日、東和子さんがすい臓がんでお亡くなりになりました。享年81歳。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。すい臓がんは患者の8割を60代以上が占め「がんの王様」と呼ばれ早期発見が難しく進行が速いとのこと。ご主人からの喪中のはがきに「発見が遅れ手遅れでした」とありました。
東さんに小品展への出展をお願いした時、今そのような余裕が無いので断りたいとのことだったが、その後に丁寧なはがきを頂いた。そこにはうさぎの絵が描かれていて、まだまだ絵心は衰えていないと感じ、いずれ出展していただけるのでは、と思っていました。残念な気持で一杯です。


「まなざし」 油彩 F12 第51回(2014)東京黒百合展出展作品
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