6/6~13 東京都美術館(後援;文化庁・東京都)
鈴木知子氏は太平洋展、日本水彩画展に毎年大作を発表され、当会「エルム水彩展」にもご協力いただいている横浜在住の画家である。 出品作「冬の牧場」は、太平洋展に続く同じ題名だが、遠景の山、中景の灌木、手前に並ぶ牧場の杭と落葉樹に残る「雪」は、「冬の陽を愛しむ牧場」の冬景色を見事に表現した傑作である。 牧場内、牧柵、影を映す昨夜からの雪、何よりも樹木の小枝に残る“雪の光”が、「春を待ち焦がれる」牧場の片隅を、愛情込めて丁寧に演出している。一般に、画用紙の「白」で「雪」の質感を表現するのは難しいとされる。会場の他の作品を見ても、その表現の難しさが解る。この度、鈴木さんただ一人、「会友優秀賞」を受賞、現・会友から「会員推挙」となった。名実ともに透明水彩画の「雪景色」を描く第一人者である。 (下図;会友優秀賞・「冬の牧場」鈴木知子作)
日本水彩画会は2012年に創立百周年を迎えた。 今年は美術館地下1階から1階の棟まで作品約1300点で埋め尽くした。「賞」も総理大臣賞他多数設けて応募枠を広げ、水彩画の水準向上、振興に努力している (下図;日本水彩画会賞・「煙る街角」川永隆博作)