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  • 執筆者の写真: 東京黒百合会
    東京黒百合会
  • 7月5日
  • 読了時間: 2分

展覧会を訪ねて

笠木玉泉 第14回展(2/13―18)

小石浩治

 笠木玉泉(喜美子)さんの個展が東京・青山・“ギャラリー・コンセプト21”で開かれた。

 今年で14回目になるが、これまで日本芸術家協会・奨励賞受賞など数多く受賞され加えて、海外(オーストリア、ハンガリー、チエコ等)の美術館への出展回数も多く、海外の若者にも人気があるようだ。これまで、個展のコンセプトも「墨のenergy」とし、

墨絵の魅力を機会あるごとに発表している。


1.今回は「・・墨と水による表現を模索を続けて40年近く、まだまだ道半ばです。和紙

と墨と水でなければ表現できない森羅万象と心があると確信しています。」とギャラリー

へ投稿している。会場に墨絵13点のほか、絵葉書など小品数点が展示されたが、書道家

としても知られているので、「書」の注文もあるそうだ。  

「一心」
「一心」

2.当会会員への「お知らせ」で、「いつものように大作を並べるというわけにはいきませ

んが、新しい一歩を踏み出せた気がする・・」とあり、下図「飛翔」があったので、今回は「彩墨」に軸足を移し、さては<カラー>に転向したかと興味をもって訪ねたが、色が付いたのはこの一点だけ。

 亡くなったご主人を、青く清澄な大空に、思い切り羽を伸ばして自由に飛び回らせたかった一心で・・と話す。

 全幅青い下地に、今、蛹(さなぎ)から飛び立つ蝶をご主人の姿に想定したものである。「絵」は、その“景色”に自分が共存できるから“想い”は現実のものとなり、いとおしさが何倍にも膨れ上がる。        


「飛翔」
「飛翔」

  

3.会場の中央に飾るのは大作 「歳月」である。

  畳3枚ほどの紙に幾年も風雪に耐えてきた樹木を描く。樹木のそばに寄りよく見ると、何層かの薄墨に、さらに濃い墨を乗せた跡がうかがえる。“墨の力”が幹に枝に伸び、ついに巨木に仕上った。 

「歳月」
「歳月」

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