(ギャラリーくぼた) 写真と文:牧野尊敏
出展された建脇さんの作品は、「洗足池」と題する油彩画で、林と丘のこんもりした木々の塊を背景に水面を広いスペースで描かれていた。
淡い光が水面に満ち、いつまでもそこに居たくなる雰囲気の絵である。広い水面の一角で絵に変化を求めた手前の杭は効果的。もっと大きく描かれてもよかったように感じた。
絵は小さいが建脇さんの絵は、いつものことながらこの会においては別格の存在感がある。
以前描かれていた建造物中心の絵と異なり、最近建脇さんは自然風景を多く描かれている。
心なしかその絵にソフトな雰囲気を感じるのは年齢のためか?建脇さんは緑色の扱いを研究されているようで、その配色は見事である。又、大きな絵ではないが、ご高齢にもかかわらず筆のタッチは力強く流石と思った。
東京黒百合会の写生会にはいつも参加され、その作画意欲にはいつも感心し刺激を受け学ぶことが多い。これからもお元気で作画活動を続け、我々を楽しませていただきたいと思う。
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