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執筆者の写真東京黒百合会

ギュスターヴ・クールベと海・展

(4/16~6/13 パナソニック・汐留美術館)       小石浩治


フランス近代 自然へのまなざし

 クールベ(1819?77)は1850年のサロンに「オルナンの埋葬」=無名の田舎の村の埋葬を歴史画並みの大作にしたことで物議を醸し出した。

更に 1855年の現実的寓意画と称した「画家のアトリエ」下図=風景画家と裸婦を中心に左半分は貧民層・田舎の人、右半分は知識階級・都会の人を配した画面が寓意画の約束(聖書か神話を題材にする)を破ったとして、パリ万博への出品を拒否された。怒ったクールベは博覧会場の近くに小屋を建て、クールベによるレアリスムと称する作品40点ほどの展示即売会を開催、<レアリスム宣言>をして政府と画壇の権威に挑んだ。これが史上初の個展と言われる。レアリスト(写実主義者)を名乗るクールベは、フランスとスイスの国境近くの村・オルナンに生れ、生涯を通じてパリとオルナンを行き来した。 

 フランスの山岳地帯に育った彼にとって、長い間未知の世界であった海。ノルマンデイ地方の海は1865年頃集中的に描いた。海、空は筆と得意のパレットナイフで描き分けた。1870年パリ・コミューンに参加、広場の円柱破壊事件の責任を問われ投獄、

スイスに亡命、失意の内に死去、58歳。


「画家のアトリエ」1854年361×598cm


「波」1869年【1865-69にかけて連作】


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