● 佐々木繁さんが逝去されたとの悲報に接し、突然のことで大変驚愕いたしました。ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。佐々木さんは、東京黒百合会にとってなくてはならない方でした。
佐々木さんとは本会写生会の三浦半島で会ったときの印象が強く残っております。当時は元気で外人の方と一緒に参加されました。佐々木さんの絵は、独創的で温かみがあり、癒し感を抱く絵でした。このような絵をこれから拝見できないことが残念で寂しい限りです。
2年前の会報に「私のモチーフ」として佐々木さんの記事が掲載されていますが、それによるとそのとき既にガンであることを医者から宣告され、死を覚悟されていたようで、非常に心が痛みました。
それでも必死に生き絵を描かれていたことに感銘を受けました。本会にとって大事な方を失ったことは大きな痛手で、大変残念でなりません。
コロナ禍明け以降の展覧会には出品できない状態のようでしたが、それでも早く回復され また皆さんと一緒に活動できることを祈り期待しておりましたが、それは叶わず残念至極です。
天国で安らかにお過ごしください。合掌
牧野尊敏
● 私とほぼ同年代の仲間の佐々木繁さんが旅立ってしまいました。本当に悲しくて、辛い思いで一杯です。東京黒百合会に初出品したのは今から24年前の1999年(平成11年)の第37回展かと思います。大先輩の加藤文男さんの絵画教室の生徒さんとの事でした。
私と同じ当時の北廸展で一緒に活動をしておりました。とても穏やかな温厚な性格で、その誠実な人柄は皆様に大変愛されておりました。当初の絵は加藤さんの影響もあり落ち着いた画風の風景画が多かったと思いますが段々と世相や自分の生き様を画く絵が多くなって来た様に思います。
東日本大震災の後にはご自身の故郷である東北の悲惨な災害を表現したり、北大東京同窓会報フロンティアNo54号(2019年2月号)には「沈みゆくベネチア」と題して地球温暖化への警告の絵を描いておりました。
会報(2021年)の「私のモチーフ」及び第59回東京黒百合展作品集には「ヨットで江の島に遊ぶ」(下図)を発表しております。その会報ではとても衝撃的な寄稿文を書かれていたのが強烈な印象として今でも心の中に残っております。
命は大海のひとしずく と語り今までの人生を赤裸々に振り返っております。余命半年と宣言され、心の安らぎを捜し求めての旅を続けて来たのだと思います。佐々木さん、大変お疲れ様でした。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
細井真澄
佐々木繁作:「ヨットで江ノ島に遊ぶ」2021年第59回展
佐々木繁作「仙台近く・山寺へ」2012年第50回展
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