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  • 執筆者の写真東京黒百合会

北大フロンティア64号 「風景との対話」

ベルギー ブルージュ と言う街 2023年11月 東京黒百合会 初谷長治

 

 丁度10年前2013年8月の夏休みを利用してオランダ、ベルギーをレンタカーで廻りました。初日はアムステルダムの空港から街の中心地のホテルへドライブし、車を置いて早速街を散策しはじめました。アムステルダムは東京と同じく都市の雑然さが目立ちました。 翌日はオランダの南西部ハーグを目指してドライブです、しかし駐車場の入り口のゲートは駐車券が必要でした、ところが前日駐車券を車中に置いたまま出てきてしまい立往生です、妻の不安げな顔を今でも思い出して笑ってしまいます。割に早く他の客が現れ、説明して一緒ゲートを潜らせてもらい、事無きをえました。旅行にはハプニングが付き物です。


 ベルギーのブルージュ市街は大西洋(北海)から24kmも離れた内陸に位置していますが幾つもの運河で繋がって運河経由で北海へ通行できた。ブルージュとはオランダ語の「橋」と言う言葉から来ています。ブルージュ市の起源は9世紀に遡ります、13,14世紀にはハンザ同盟の中核都市として毛織物の交易で隆盛を極めます。しかし15世紀に入ると肝心の運河が沈泥のために浅くなり荷物の出入りが困難になってしまった。こうしてブルージュは都市としての機能も喪失してしまう、やがてブルージュは寂れ、中世の景観を缶詰にしたまま現在に至っています。その後16世紀にはアントワープが、17世紀にはアムステルダムが中核的港町として発展を遂げ、北進しながらネーデルランド全体の隆盛のドライビングフォースとなったことには面白さを感じます。


 ブルージュ市の中心にはキリスト教の大きな教会があり、その一つが聖母教会(ノートルダム教会)である、(油絵―1)。この絵はその聖母教の塔を中心とした景色を描いたものです。ちなみに塔自体はレンガ造りで高さ122mもあり、レンガ造りの建物としては世界で2番目の高さを誇っています。また視点となった私の立った場所は聖母教会の鐘楼です、これも高さが83mもあり、ここからの眺めは360度見渡せて、それこそ感動的な中世の街と田園風景にしばし動けなかったほどです。これは是非絵にしなければと制作したのが油絵―1です。 油絵―2は街中に張り巡らされた運河に掛かるレンガ造りの橋の一つです、何百年も経て古びてはいるが、ガッシリと力強く踏ん張っている様はヨーロッパ人の気骨を象徴している様です。 短い旅でしたが風景との対話を楽しむことが出来た良い旅でした。


油絵―1  聖母教会(ノートルダム教会)


  油絵―2  運河に掛かるレンガ造りの橋   

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