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執筆者の写真東京黒百合会

展覧会訪ねて

第9回日 展(国立新美術館・11/4~27)   (小石記)


 日本の文化振興のため西洋諸国に追いつけ、追い越せの大号令の中で生まれた文展、帝展そして日展となり現在に至ったこの歴史ある日展は、数多くの芸術家を輩出しているだけでなく、芸術がいかに人々に、日々の生活に大切であり、生きる勇気を与えているか、日展も、常にその役割を務めている。

 このような時こそ芸術の力、日展の力をもって世の人々にときめきを与えられるよう、日展が総力を挙げて懸命の努力をいたし、第9回日展を開催することになった・・

日展(新)理事長・宮田亮平(芸大学長、工芸家)


 洋画部門547点日本画部門154点をつぶさに見るのは至難の業である。巡覧しながら、目にとまった作品でも、せいぜい20秒程度。この作者は何を描こうとしたのかな・と。 

 コロナのせいで家に居る時間が多いせいか人物像が例年になく多い気がした。

 1階の日本画部門入口で私を迎えたのは人間ならぬマンドリル(オナガザル)であった。現代社会を比喩しているのか。


    「行方」林 真作 日本画・特選


 会場1階(日本画)2階(洋画)を巡り歩き、再び1階に戻ると、洋画の油っぽさが抜けて何やらすっきりした感じを受けたものだ。

 どれも力作だが、各賞のうち、「日展会員賞」に絞ってみる。

       ①大西守博作「愁」日本画

  ②田中里奈作「語らい」洋画


「人物」を描く視点や感覚が、作者によってこれだけ違いがあるのも面白い。

  なお、②の作品は、傍によってよく眺めないと一体どう描いたのかわからなかったが、

後に<木版画>と知った。

     「バラを描く」池田清明作(日展会員)


 かねてより畳2枚程の大画面を絵の具でどう描くのか疑問に思っていたが、はからずも教えてくれたような作品であった。

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