江澤昌江 記
東京黒百合会小品展 2022年5月23日~29日 銀座アートホール
一昨年・昨年と秋の東京黒百合展が中止となり、スケッチ会や合評会などほとんどの活動も休止となりました。そんな中で毎月の会報・エルム水彩展・昨年の画集制作など情熱を持ち続けて会を盛り立てようという方々の努力には感謝の気持ちでいっぱいです。
まだ不安の雲の晴れない中、春の東京黒百合展とも位置付けられる東京黒百合会小品展が開催されました。尽力された幹事の不安や苦労は大きかったと思われますが盛会となり、また一歩を踏み出すということで秋の会展の歯車も回りだした印象でその意義はとても大きいです。
搬入には多くの会員が揃い、懐かしく顔を合わせ言葉を交わすことのうれしさで会場の空気もワクワクしていました。また思いがけない東京同窓会からの北大カレンダーという素敵なお土産もありました。
出品者は新人の阿部さんを含め22名。ずらりと並んだ絵を見ると「あ~これこれ!」懐かしくにじみ出る人柄とかエピソードとか、モチーフへの共感とか楽しい気持ちがどんどんわいてきます。
中でも印象的なことは、風景画がたくさん並んで、皆で行った写生会を思い出したり
ままならない月日の籠鳥恋雲な気持ちが伝わってきて深く共感したことでした。スケッチ会も再開されて本当にうれしいです。自然の光のなかで空気を存分で味わいながら絵を描けることのありがたさが身に沁みます。
そしてもうひとつ お喋りもカラオケもしないでいると声が出なくなると同様、絵もエネルギーを発散させるには展覧会が大切だという実感でした。
幸い今秋の東京黒百合展の準備も始まりそうです。秋にはよりもっと多くの会員が参加して力作を持ち寄って賑やかに第60回展を迎えることを楽しみにしています。
(写真は 石川三千雄氏の提供によります)
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