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執筆者の写真東京黒百合会

私のモチーフ


東 和子  (令和2年10月)

 「熱いエネルギー」と「鍛えられた美しい身体」を持つ今の若い女性はスマホ片手に仕事が早い。ママチャリの前後に子供を運ぶ。病院の待合室で子供に絵本を読み聞かせしていた母親の読むスピードには驚く。初めは気が急いているとばかり思っていた。互いの会話も倍速なのに子供はちゃんと理解している。スーパーマーケットでの若い夫婦の会話は早すぎて、77歳の私にはとても聞き取れない日本語?が飛び交っても意思疎通は出来ているようだ。

 1943年、第二次世界大戦真只中の年に私は生まれた。2歳半の頃か、かすかに記憶がある。緊急サイレンの音、爆撃の音。緊張感は疎開先の札幌まで続いた。「平和」の有難さ、「自由」、「平等」の尊さ。身をもって知ったあの悲劇はそれぞれの人生を大きく変えてしまった。

 そのせいか今の若い人が、次元の違う別世界の住人のようにみえ、あきらかに進化しているように思える。が、ずっと待っていたのだと思う。こういう時代が来るのを。

75年の平和、新技術は女性の行動や生理をも解放し始めている。 これからの時代を担っていく若い女性たち。カラフルな髪と長い手足。その背後にみえるのは「自由の翼」。

 時代の恩寵を受け、のびのびと思うままに自分の人生を輝かせてほしいと願うばかりだ。


「裸婦」 F6,コンテ

 20分ポーズを取り続けるモデルさんの頭部が少しづつ下がってくる。静止状態も

きつい労働なのだと同情した。陰影の把握ができていたら、女性のしなやかな線だけでなく

もっと逞しく、強い心を持つ女性の立像が描けたのでは・と反省する。


「自由の翼」F12、油絵

 絵の具「バーミリオン」の原料が払底するという。買いだめをした。退色しないといわれるその「赤」はそのままこの絵のモチーフとなっている。

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