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  • 執筆者の写真東京黒百合会

私のモチーフ

青木康明 

 私のモチーフということで、何か寄稿せよということで考えましたが、これまでのところは、どんなモチーフについても上手く描きたいということだけで、特別これはといったこだわりを持っていなかったということに改めて気づかされたといった感じがします。

 そもそも、私と絵との出合いといったら大袈裟ですが、高校の時の美術の授業で何か描いた記憶はあるのですが、どんな絵を描いたのかは全く記憶がありません。ただ大学受験の勉強の合間に気分転換でよくスティーブマックイーンやショーンコネリーの写真などをもとに鉛筆画を描いて、従妹にあげたら喜ばれたといった記憶があって、そのあたりが私の絵に対する興味の原点ということなのかもしれません。

 大学に入ってからは体育会山スキー部に所属し、学園紛争の影響で大学閉鎖といった環境も手伝い、専ら山行とアルバイトに明け暮れるという日々の中、時折山頂からの雄大な景観を絵に描いてみたいなどと考えたりもしましたが、それは下界に降りてからの話で、山の中では自然の圧倒的な力にただ翻弄されるばかりで他のことを考える余裕などないというのが通例でした。(今なら携帯もありますが、当時はカメラなど高価で元々持ってもいませんでしたし重たい物を山に持って行くなど論外でした)

 大学を卒業し社会人となった後も、私の主たる興味はゴルフ、テニス、スキー等々専ら体を動かすことで、これを数十年続けてやってきましたが、寄る年波には勝てず、この先を見据えて、体を動かすばかりではなく趣味の領域を広げようということで、多少とも興味のあった透明水彩画をきちんと習ってみようということとなりましたが、モチーフを絵としての作品に昇華させるという点でまだまだ未熟さを自覚しているところです。

 ただ、それなりに感じているのは途中まで描いたところで、早く仕上げたいという意欲が湧いてくるモチーフとそうでもないものとがあり、今のところ、意欲を湧き立たせるテーマとしては、季節感のある風景とそこに存在する人物といったものが一番ということで、今後は自然とこれが私のモチーフということになっていくのではないかというような気がしています。

(乳頭温泉) 


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