(2021/2.18~2/23 ギャラリーコンセプト21 北青山) 小石浩治
北青山で11回目の玉泉展が開かれた。
上記写真は玉泉展ご案内ハガキの絵、題名「2020・6」は、懸命の介護も甲斐なく最愛のご主人を昨年6月に亡くされたことによる鎮魂の作品である。畳一畳大の上の作品は、墨のない白地の部分が、あたかも細胞のごとく動いている。「白ペンキを黒色の紙に吹き散らしたのでは」と聞いたら、「墨絵は、和紙と墨と水で描かれるもの。白ペンキなんてとんでもない」と一笑にふされた。そのためには、和紙に墨で下地を造り、乾くのを待ってまた墨を置く・・という作業を何度も繰り返し、心に描いた構図を、少しづつ、且つ激しく表していくと言うのだ。
およそひと月かけてやっと作品・画像が浮かび上がる。改めて眺めると、苦悶し嘆き悲しむ傷心を抱く鳥が宙を彷徨う・と言うか、なんとも複雑な心の動きを、なお抑えきれずに苦悶する・ということだろうか。
「桜」はその点、解りやすい画面構成のように思うが、桜の花びら一枚一枚について、
前記のように墨絵の技術を駆使して描いたものだと知ると感嘆するしかない。
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