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執筆者の写真東京黒百合会

第一回示現会選抜展

(8/27-9/1 銀座アートホール)             写真と文:小石浩治

 示現会委員・入選者の力作を銀座アートホールでゆっくり観賞できた。小さいものでもM20、F20、F30号も多く作品合計89点。会場を見まわして、これは笠原さんの作品とすぐにわかった。 

 テーマを追求する画家は、次第に構図や絵柄が定まっていくものなのだろうかと考える。山懐に抱かれた農村・集落があり、手前に畑があり川が流れる…という構図は、手つかずの日本の農村への作者の愛着や「想い」があるから、構図も色調も独自のものに固まっていくのだろうと思う。

 笠原さんと同じ示現会の一人、井上武氏の「都市の景」(下図)の場合も、毎年のように「都市の風景」をテーマにした画家だと記憶している。

昨年は建物の横に立つ電柱と電線が、版画のようなタッチで描かれていた。その黒々と立ち並ぶ電柱と電線は、今回(下図)の建物、橋のタッチと酷似している。作者は黒い縁取りや線で建造物の力強さと活力ある都市を描く一方で、人工建造物の何時かは崩壊する危ふさ、脆さを予言しているのではないか。黒の輪郭は“アンチテーゼ”として無機質な都市の「もろさ」を表現している・と思うが考えすぎだろうか。


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