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執筆者の写真東京黒百合会

Ma a会 第14回

(3/22~28 銀座アートホール)       小石浩治


 例年より早く桜は満開、緊急事態宣言解除の翌日の開催、都内主要な駅の乗降客数は前週よりも増加等コロナ禍収束の目途が立たないなか、当会から江沢氏、笠原氏の2名、ほかにエルム水彩展出品者等計12名により上記展が開催された。

 期間中、銀座も通常の人の流れのように感じた。今回展も水彩画だけでなく油彩、アクリル、ゴム版・・と、賑やかに画廊を飾った。


◯ 笠原さんは2点、うち下図は「錦秋」。

 笠原さんの描きなれた構図と配色。手堅くまとめられた。笠原夫人(玲子さん)も2点、今回は人物ではなく外国の街・建物を描いておられた。


◯ 江沢さんは全部で4点出品。うち下図は「2020年・楽しい引きこもり」と題したハガキ大のゴム版の作品。近寄ってみると「宮沢賢治」の短編童話「やまなし」の一節。もう一つ「春の窓辺に・稲田忠穂」と書いてあるが、私の知らない詩人の文。その横の図は『月には桂の木があり「呉剛」と言う美男がいる』とある。男がブランコに乗っている図だが、私の知らない物語の一節なので帰宅後調べたら、中国の伝説で、月に住んでいる伝説上の住人「桂男」は「美男」とのこと。伝説の一つは--仙術を学んでいた「呉剛」の妻が過ちを起こし、呉剛が月に配流されて樹(月桂)を切らされる。ところが斧を打ち込んでもすぐ枝葉を茂らせ、いつまでも樹を倒すことが出来ない。呉剛の妻は罪悪感をおぼえ、3人の子供をヒキガエル、ウサギ、ヘビの姿に変えて月に赴かせ、父の伐採を手伝わせた・・「呉剛伐桂」と言うお話。

 江沢さんは先の会報で、「絵と同じくハンコが好きで何か伝えたい情報をカタチにする・、なるべく小さいものを目指す・、様々な縛りをかけた窮屈な設定が楽しみ・、彫る作業はとても集中するので、目玉がよったり体が凝ったりはするけれど、精神的にはとても良い気分転換になる・」と言う。 

 昨年来から自宅で過ごす時間が多い中、「消しゴムハンコ」でコロナ禍を忘れることが出来るのは幸せなことだ。無理せず励んでほしい。


◯ エルム水彩展・GAH・吉光寺さんは、5点出展されていた。その中、下図「春風の誘い」は、これまで得意としていた制作法(ろうけつ染め)ではなく、水彩絵の具ひとつで、構成したものという。

 常識的手法による絵画が多い中で、時に型破りの絵を見せるのがこの会の特性かもしれない。今後も創作意欲は失わず継続して欲しい。


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